uniの歴史
1958年に誕生し、
今なお多くの人たちに
愛用され続けているuni。
高級鉛筆のスタンダードとして、
歴史とともに改良を続けてきた
uniの歴史を振り返ります。
1958
高級鉛筆uni誕生ストーリー
1953年、海外の鉛筆事情を視察するために欧米をまわった、当時の三菱鉛筆技術部長 数原洋二は、日本の鉛筆に対する評価が意外に低いという事実を知った。この体験から、名実ともに日本の鉛筆が海外から評価されるためには、輸入品の影響から脱したオリジナリティのある高級鉛筆を開発しなければならない、と決意を抱く。
高級鉛筆uni
誕生ストーリー
初代uni
色と基本デザインは変わっていないロングライフデザイン。「Super Drawing」の文字が、現在は「ESTABLISHED 1887」と三菱鉛筆の創業年に変わり、背面にバーコードが追加されただけ。
当時の開発者達が総力を挙げて世界一の鉛筆を目指し、良質な芯の材料を一から選定し直すことから始めた。また、粘土の微粒子化の高い技術を活かして、黒鉛と粘土の粒子をより細かく均一にする技術を確立するなど、約5年に渡る開発の結果、かつてないなめらかな書き味が完成。
uni 初代ダース箱
当時の最先端素材、プラスチックを使用して作られた。手作業でアルミ製のヒンジを取り付けており、ダース箱内に芯削りが内蔵。
1958年、東京タワー竣工と同じ10月に、国産最高級鉛筆uniが発売された。商品名uniは、「ただ一つの」を意味するuniqueから名づけられ、鉛筆1本10円が一般的だった当時、1本50円という高価格だったが、予想を上回るヒット商品となった。
輸入品の鉛筆と同じ
1本50円で発売
当時、普通の鉛筆1本が5~20円。大卒初任給は約13,500円。
はがき1枚5円、かけそば1杯25円、週刊誌1冊30円、コーヒー1杯が約50円という時代だった。
世界で最高のなめらかさを持つただ一つの鉛筆−uni
「Bの黒さでHの硬さ」という最高の品質と共に、軸色に、通称“uni色”と呼ばれる、日本の伝統色であるえび茶色と高級感のあるワインレッドを掛け合わせた、世界中のどこの国のどの鉛筆にもかつて見ることのできなかった色彩に決定した。
1965
uni 2代目ダース箱
予想以上の大ヒットを受け、ダース箱の生産が間に合わず、初代のアルミ蝶番から着脱式の蓋に変更され、消しゴム付となった。
子どもたちのあこがれ
それまで鉛筆は店頭でバラ売りされていた。uniのダース箱が登場し、1ダースで鉛筆を買い、ダース箱をペンケース代わりに使うことが子どもたちのあこがれとなった。
1971
uni 3代目ダース箱
蓋を再び蝶番式(プラスチック製)に戻した3代目は、そのシャープな印象のフォルムから、当時の子どもたちの憧れとなった。
日々進化中
1958年誕生のuniからは、さまざまな派生品が誕生している。Hi-uniは日本鉛筆の最高傑作として、海外のクリエイターからも熱い支持を受けている。色鉛筆も着実に進化し、表現の幅を広げている。
2008
uni発売50周年
発売から半世紀経過し、高級鉛筆としての地位を確立し、当時のデザインをほぼそのまま引き継ぐ、ロングライフデザインのひとつ。
現在「uni」は、三菱鉛筆そのものを表す、コーポレートブランドにもなっている。
uni ペンシルホルダー
uni発売50周年を記念した、限定品を発売。
10月1日は「uni」の日
1958年10月1日に発売されたことから、日本記念日協会に認定される。
ハイユニ アートセット
新しい5硬度を追加し、10Hから10Bまでの22硬度もの幅広い硬度が揃い、デッサンや鉛筆画をはじめとしたアーティスト、デザイナー向けのセットです。
2018
uni発売60周年
発売60周年を記念して、“子どもに贈りたくなるuni”をコンセプトにした、貼り箱製オリジナルダースケース入りuniを6,000ダース限定で発売。
60周年記念の箔押し鉛筆
鉛筆の軸には『uni 60th
Anniversary』と箔押し。
uni 60周年記念鉛筆
uni発売60周年を記念製品を、6,000ダース限定で発売。
uniの同級生たち
uniが発売された1958年は日本が戦後の復興を遂げる高度経済成長期。東京タワーが新たな東京の名所として完成した年でもある。同年、Hondaスーパーカブ(本田技研工業)、図案スケッチブック(マルマン)、チキンラーメン(日清食品)、野球盤(エポック社)も発売。今なお愛される続けている同級生が多くいる。