１）人権の尊重

差別の排除

人種、性別、年齢、国籍、民族、宗教、障害などによる差別を禁止する。

結社の自由

現地法令に基づき、従業員の団結権、団体交渉の権利を尊重する。従業員が報復、脅迫や嫌がらせを恐れずに、経営陣と率直な意思疎通を図れるように努めること。

強制労働、児童労働の禁止

全ての労働は自発的であること。従業員の自由な意思を尊重し、強制的な労働を行わせないこと。パスポートなどの公的な身分証明書の引き渡しを従業員に要求しないこと。最低就業年齢に満たない児童を雇用しないこと。

長時間労働の抑制、適切な賃金の支払い

現地法令で定められている週間労働時間を超えないこと。最低賃金、超過勤務、法定給付などの賃金関連法を遵守すること。1週間に最低1日の休日を付与すること。

非人道的な扱いの禁止

個人の尊厳を傷つける、ハラスメントや虐待など非人道的な扱いを行わないこと。非人道的な行為の予防、対応などの対策に努めること。

紛争鉱物

紛争鉱物（スズ、タンタル、タングステン、金）の使用が、コンゴ民主共和国およびその周辺国などにおける人権侵害の加害者である武装グループの資金源とならないよう努めること。

２）安全衛生

職場安全と衛生

従業員の安全を確保するため、事故、災害の未然防止に努め安心して業務遂行が出来る職場環境を作ること。

緊急災害時への備え

非常時に起こりうる状況や事象を事前に想定して災害や事故などの対策に努め、構造物の安全確認と避難通路の確保、防災設備の設置および点検を必要に応じて行うこと。
例）緊急時の報告体制、従業員への通知、避難方法、従業員の訓練、適切な火災探知システム、消火設備、適切な非常口設備、復旧計画。

従業員の健康管理

労働災害及び職業的疾病防止に努める。身体的に大きな負荷のかかる作業、精神衛生も含めた健康被害を及ぼす可能性のある作業を特定し、労働災害・疾病につながらないよう必要に応じて対策を講じること。現地法令に基づき従業員の健康診断を行うこと。

施設の安全衛生の確保

従業員のために提供される施設の安全衛生と適切な環境を確保すること。

３） 倫理

汚職・賄賂などの禁止

いかなる形であれ賄賂の受領及び提供を行わないこと。

反競争的行為の禁止

公正な競争を阻害する行為を行わないこと。

反社会的勢力との断絶

市民社会の秩序と安全に脅威を与え、経済活動に障害を与える反社会的勢力との関係を排除すること。

不正行為の予防

従業員が不正行為の通報を報復の懸念無く通報できるよう、通報者の保護に努めること。

情報の開示

経営や財務状況など事業活動に関する情報を適正に開示していること。

知的財産権の保護

知的財産権を尊重し、管理されていること。

個人情報の保護

顧客、サプライヤー、消費者、従業員など全ての個人情報が適切に保護されていること。

４）環境保全

環境法令などの遵守

環境保護に向け、必要な許認可・届出・報告などを行うこと。

省資源と省エネルギー

省資源・省エネルギーに努めること。

廃棄物の適正処分

廃棄物の適正処分を行うとともに、排出量の削減にも努めること。

化学物質の管理

環境に放出された場合に害を及ぼす化学物質を特定し、使用量削減や有害性の低い物質への代替、および漏洩の防止などに努めること。

製品含有物質の管理

製品に含まれる有害物質を特定し、法規制などを遵守すること。

大気への排出、排水の管理

大気に排出される有害物質・温室効果ガス・オゾン層破壊物質などの削減に努めること。排水の適切な管理に努めること。

生物多様性の保全

事業活動が生物多様性に与える影響を考慮し、悪影響を最小限に抑えること。