インクが乾かない
「乾く」仕組み
- インクは、1)溶剤の揮発 2)インクの染み込み で乾きます。
- 揮発とは、人が生活する温度で液体が気体になることをいいます。油性マーカーが水性より乾き易いのは、水よりも揮発しやすい溶剤を使っているためです。
- 「フタを開けたまま使う」スタンプ台や朱肉のような印章製品や、ノック式の油性ボールペンなどは、溶剤の揮発が極めて少なく、紙などへの染み込みで乾きます。
インクが乾かない例
- 台所用品や水泳帽などの シリコン製品 に書いた場合
台所用品や水泳帽などに使われるシリコーン(シリコン製品)は、インクをはじく性質を持っています。そのため、溶剤が揮発しても、擦る程度で描線が取れてしまい、いつまでもインクが乾かないように感じます。詳しくは、こちらをご覧ください。 - 内装材や合皮などの 軟質塩ビ製品 に書いた場合
壁紙やマット、カーペット、Pタイル、長尺シートなどの内装材や合成皮革(合皮)の多くには、「可塑剤」(揮発しにくい溶剤)を多く含んだ「軟質の塩化ビニール樹脂」(軟質塩ビ)が、使われています。この可塑剤が油性の溶剤(特にキシレン。PX-20/21/30に使用)と反応するため、インクは乾きません。詳しくは、こちらをご覧ください。 - インクが染み込みにくい素材へ書いた場合
金属やプラスチックのようなインクが染み込みにくい素材へ書いた場合、水性サインペンでは、一般的な油性マーカーより揮発が遅いため、乾きにくくなります。また、揮発が少ない油性のボールペンや印章製品のインクでは、乾かない状態が続きます。 - インクを厚く塗った場合
揮発の早い油性マーカーでも、インクを滴のように厚く塗ると、揮発しやすいインクの外側が膜を貼り、内側のインクにフタをすることがあります。乾いているように見えても、触れると内側から乾いていないインクが出てくるのは、このためです。
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