シャープペンシルを科学する
鉛筆とは違い、細い芯で字を書く
シャープペンシルには、
その芯を支えるための機構や、芯自体に
様々な工夫が込められています。
ここでは、それらの一部をご紹介します。
グリップGrip:ペンを握る箇所
「書いても疲れない」、「書きやすい」といったペンの使用感を追及するために、グリップにはシリコンや木材など様々な素材が使われます。当社では、地上18mから生卵を落下させても2cmの厚さで割らずに静止させる事が出来る特殊なゲル状素材「αGEL(アルファゲル)」を用いた商品があります。
抜群のフィット感を実現
※αGEL(アルファゲル)は、株式会社タイカの商標登録です。
チャック芯の送り出しと保持を行う
シャープペンシルには芯を送り出し、保持するためにチャック機構と呼ばれるパーツが備わっています。芯ケースに入れられた予備の芯は重力によって芯ガイドに供給され、三ツ割(二ツ割)チャックが一定量の芯を送り出し、保持チャックによって芯が固定されます。こうして細い芯が安定的に使用できるよう工夫がなされているのです。
チャック機構の構造図
ノック前
芯は保持チャックの後ろの位置にある状態。
ノック開始
チャック、締め具、芯が一体に前進。保持チャックの後ろに位置していた芯は、保持チャックにくわえられる。
ノック完了
さらにノックすると、チャックが締め具からはずれて開く。芯は保持チャックにくわえられていて、移動なし。
ノック解除
ノックの戻り始めは、チャックは開いたまま戻る。さらに戻ると、チャックは締め具に入って閉じる。芯は保持チャックにくわえられていて、移動なし。
繰り返す
これらを繰り返し、芯を出す。
芯文字や線を書くための部品
芯は「なめらかな書き味」と「強さ」といった、相反する両方の品質を重視して設計しなければなりません。シャープ芯の硬度のコントロールは黒鉛種、結合材種、製造条件等、複雑な要因をからめた設計より成立しています。これは、鉛筆芯から始まった長年にわたるカーボン加工技術に蓄積によるものです。最近では、黒鉛と黒鉛の粒子の間にナノダイヤモンドを混ぜる事で、さらに「なめらかで強い」芯を開発いたしました。