ペンの先にインクが溜まる
ボールペンのインクは、ペン先のボールが回転することで、筆記紙に転写されます。しかし、紙とボールが接しなかった箇所のように、転写されなかったボールのインクは、再びペン先に戻ります。この時、ペン先の中に入りきらなかったインクは、ボールを保持する部品の端へ溜まり、場合によっては溜まったインクが筆記紙などに付着することがあります。インクの性質やペン先の隙間の工夫で余ったインクを回収しておりますが、完全ではございません。この現象は、次の場合に発生し易くなります。
- 筆圧が弱い場合 や 筆記する紙が薄い場合
筆記するときは、ペン先のボールが紙面に少し沈み込み(紙面を凹ませ)ながら、ボールが回転していきます。筆圧が弱かったり、紙が薄くさらに下敷きが硬かったりすると、ボールが紙面に沈み込む量が少なくなり、ボールと紙が接する面積も少なくなります。そのため、ペン先に戻るインクの量が多くなり、インクが溜まり易くなります。 - 直線を引く場合
直線を引く時は、ペン先のボールが一方向にしか回転しなくなります。そのため、ペン先へ戻るインクも一方向に集中し、インクが溜まり易くなります。この場合は、ペンの軸を少し回転させるように直線を引くことで、発生を抑えることができます。 - ペンを寝かせて書く場合
ペンを寝かせて書くとボールと紙が接する面積も少なくなります。そのため、ペン先に戻るインクの量が多くなり、インクが溜まり易くなります。ボールペンは紙の上でボールが回転する60°以上の筆記角度で筆記するのが理想的です。 - ゆっくりと筆記する場合
ペン先が紙面に触れると、ほとんどの場合、ペンの中からインクが引き出されます。これはティッシュが水に少し触れただけでも、触れた部分以上の水を吸い取っていく現象(毛細管現象)と同じです。ゆっくり筆記をするとこの毛細管現象により、必要以上にインクがペン先へ向かって供給されるため、インクが溜まり易くなります。
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