紙の裏に描線がにじみ出す [ボールペン]

ボールペンは「ご使用になる環境」や「インクの種類や色」などによって、「紙の裏まで描線がにじみ出す」ことがあります。この現象を「裏うつり」や「裏抜け」と称し、次の場合に発生し易くなります。


  • 気温と湿度が高い場合
    紙は、通常ある程度の水分を含んでいますが、気温と湿度の両方が高い環境では紙中の水分量も高まります。多くの油性ボールペンのインクは色素に染料を使用しており、紙中の水分量が高くなるとこの染料の一部を溶かし出してしまうため、描線が「裏うつり」することがあります。
  • 紙が薄い場合
    油性ボールペンの場合、インクが「乾き難く」しかも「粘度が高い」ため、筆記直後の描線は完全に乾いている状態ではなく「にじみ難い状態」で紙の表面にあります。この後、インクは時間をかけて紙へ染み込むため、筆記してから数日後に描線が「裏うつり」していることがあります。水性ボールペンでは、インクの「粘度が低い」ため、短時間で「裏うつり」しますし、上述の現象も速まります。
    なお、「裏うつり」の程度は紙の性質によって異なります。一般に筆記用紙は、表に書いた描線が裏へ抜けにくく、かつ、裏から見えにくくするために、様々な成分が含まれていますが、インクが染み込みやすい紙質で、紙の厚さが薄ければ、描線は「裏うつり」し易くなります。
  • ゆっくりと筆記する場合
    粘度が低いインクの場合、ペン先が紙面に触れるとペンの中からインクが引き出されます。これはティッシュが水に少し触れただけでも、触れた部分以上の水を吸い取っていく現象(毛細管現象)と同じです。ゆっくり筆記をするとこの毛細管現象により、必要以上のインクがペン先へ向かって供給されるため、紙がインクを吸収しきれなくなり、描線が「にじみ」、さらに「裏うつり」することがあります。普段は粘度が高いインクでも、気温が上がると粘度が低下しますので注意が必要です。
  • 描線を重ねる場合
    塗りつぶすように紙面の一部分へ多くのインクを使った場合、紙がインクを吸収しきれなくなることで、描線が「にじみ」さらに「裏うつり」することがあります。

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